2010年10月14日木曜日

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講義1コマ、演習1コマ。

ゲーム理論の講義で、学生さんに映画Beautiful Mindのワンシーンを見せ、ナッシュ交渉解の概念とその応用例を少しだけ解説した。そこで、

「AさんとBさんが2人で協力して仕事をすると合計30万円の報酬が得られる仕事が可能である。しかし、協力せず、互いに独立に仕事をするとAさんは10万円の報酬が得られる仕事ができ、Bさんは5万円の報酬が得られる仕事ができるとする。協力する場合、30万円の取り分について話し合う必要があるが、さて、その取り分はAさんにいくら、Bさんにいくらであるべきだろうか?」

というクイズを出す。グループのために協力する、という概念と、自分の分け前を大きくしたい、という概念が混在した面白い問題だ。今日はある学生さんが、その答え(あくまで単純なナッシュ交渉解だが)を、即座にピタリと言い当てた。そしてそうなる理由、についても、ナッシュが考えた公理系に相当するもので、驚いた。


講義の後、Hさんとの共同研究を進める。「一瞬、直感に反するが、よく考えると理解できる」という、とても良い結果が得られる。論文は益々良くなってきているという手応えを感じる。楽しくて、時間を、食事を、水分補給を、忘れてしまう。


(補足)
ちなみに上記の交渉問題の答えは、「Aさんが17万5000円を、Bさんが12万5000円を分け前とする。」が、素朴なナッシュ交渉解です。




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