2009年8月25日火曜日

Mathematica覚え書き

Mathematicaはしばらく使っていないとすぐに忘れるので、忘れがちなのを覚え書き。

例えばCournot競争で、生産量を求めて、その解をyy1, yy2 と割り当てる時の注意:

Solve[{D[(a-b(y1+y2)) y1 -c1 y1, y1]==0, D[(a-b(y1+y2)) y2 -c2 y2, y2]==0}, {y1, y2}];
yy1=y1 /. % [[1]];
yy2=y2 /. %% [[1]];

ここで /. % の後に [[1]] をつけなければ、yy1にはリスト形式で数値が割当られてしまうので、後にReduceなどで不等式を解かせるときに問題が発生する。

2009年8月23日日曜日

企業の戦略的投資を考慮した排出総量規制と排出税の比較

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Glazer, A., Janeba, E., (2004) Strategic Investment by a Regulated Firm, International Tax and Public Finance, 11, 123-132.
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事前の排出削減行動が、事後に設定される環境税or総量規制の水準に影響を及ぼすようなことがある。この論文では、一つの企業(独占企業と考えるのはよろしくない:理由は後述)が、生産行動とは独立した排出削減行動を、政策の前と後に行うモデルを考えている。

ゲームのタイミングは、最初に企業が事前の排出削減量を決める。その後で、政府が排出税、もしくは総量規制の水準を決める。その後、企業は追加的な排出削減(これは、事前のものとは「種類が違う」)量を決定する。つまり、事前の排出削減行動は、その後の政府の政策水準に及ぼす影響を考慮した、戦略的なものと考えられる(事前の排出削減行動は、tax 水準を緩め、また排出割当量を増やす効果がある)。

排出削減(事前も事後も)コストの凸性と、環境被害関数の凸性という緩い仮定の下で、以下が示される。

  1. 政策がtaxであるならば、事前の排出削減量は、socially optimal levelよりも大きく、政策策定後の排出削減量はそれよりも小さく、そして総排出削減量はそれよりも大きく(つまり良い環境に)なる。
  2. 政策がquantity regulationであるならば、事前の排出削減量は、socially optimal levelよりも小さく、事後は大きく、総排出削減量は小さく(つまり大きな排出量)になる。
  3. taxはover-abatement, quantity regulationはunder-abatementになるならどちらが良い?

    • 事後の排出削減費用が線形ならば、tax も quantity regulationも同様にefficient.
    • 限界環境被害が線形ならば、tax がefficient. quantity regulationはinefficient.
    • 政府が、両政策に違いなく固定された総排出量をターゲットとするならば、quantity regulationがefficient. taxはinefficient.

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【メモ】
非規制主体が1社となっているが、これが文字通り独占企業であるならば、彼のoutput choiceは過少になる場合がある。この論文では生産量決定と排出削減は独立的と仮定しているのでOKだが、現実には重要な問題である(総排出量規制と排出税はずいぶん違った効果を持つ可能性がある)。

また、非規制主体が複数(例えば2社)あるならば、ある1社の事前の排出削減行動が政策を緩める効果は、他社にも波及するはず(規制が全ての企業対象になるならば)。この問題点は、Puller (2006) JEEM で分析されている。Puller (206)はOligopolyかつ、事前の行動は排出削減ではなく、cleaner technologyのR&D のケースを考えており、もちろん生産行動とのリンクが問題になる。その所為でPullerの研究はnumerical simulationに頼らざるを得ないほど、複雑になっている。Glazer-Janebaのやり方で、複数企業による事前行動の戦略的関係を明らかにする研究は面白いかもしれない(private provision of public goodsのようになるはず)。

有用な LaTeX のスタイルファイル

mediabb.sty
pdf形式のファイル(画像でも何でも)を、includegraphicsで直接TeXファイルに貼付けることができる。OmniGraffleで作ったPDFファイルは、一度プレビューで開いて、サイズを少しだけ切り取り、小さくしてから保存すると使える(理由は分からない)。

sgame.sty & egame.sty
Game Theoryで使われる Payoff Matrix や Game Tree を簡単に(かつ美しく)描けるスタイル。

2009年8月22日土曜日

Papers + DropBox で完璧な論文整理を

Mac用のアプリケーション, Papersをレジスト。

これまでは,BibCompanionを使っていたが,Papersの検索機能やPDF管理,そしてDropBoxを使った職場と自宅との書庫の完全同期のメリットを考えて,乗り換えする。

Papersの設定で,保存先をDropBoxに指定するだけで,これほどまでに便利な研究生活が送れるようになるとは思いもしなかった。感謝。


【追記】
論文のハードコピー(書き込みなどをしている)を、書棚に保管するときに、どのように整理するか?について。

Papersの"status"欄に、例えば2009年に読んだ1本目の論文であるならば、2009-001 と書いておく。そして書棚のファイルボックスに2009と書いて、そこに保管する。
作者のアルファベット順や、論文の発刊年などで整理する方法よりも、自分が読んだ日付で整理する方が、私には好ましく思える。
その一つの理由は、著者や出版年、分野などはPapersのパワフルな検索機能に頼る方が良い。Papers上で文献を見つけて、statusにある箱を見れば良い。二つ目の理由は、著者や出版年、雑誌の種類などは、すぐ忘れてしまう。しかし「いつ頃読んだか?」については意外と覚えていたりする。分野で整理するのは、もっと悲惨。分野が細分化しすぎたり、どこに整理するかを考えることで無駄な時間を使うからだ。

2009年8月21日金曜日

効率的な仕事のために - SlimTimer の再導入

SlimTimerを再び導入。
以前少し使っていたが、自分の家の研究環境が大学並みに整ったこともあり、再導入。

お金の効率的な使用のために家計簿が欠かせないように、時間の効率的な使用のためにも、この種の時間簿は有用であると思われる。
(SlimTimerの使用法などはココを参照)

SlimTimerをデフォルトで使用しても良いが、Mac&Winで使えるASlimTimerが非常に便利。SlimTimerをブラウザからアクセスすることなく、アプリケーションとして使用できる。アプリのデザインも使用感も素晴らしい。さらにオフラインでの使用も可能。
(この導入のためにはAdobeAIRのインストールが必要)

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他にも無料・有料問わず、様々なタイムトラッキング・サービスがある模様。
ココなどを参照)
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もう一つ、最近知った、うまいTo Doの整理方法。
メールソフトには、未読メールがあると「受信箱(12)」というように、未読メール数が表示される。
この機能を利用して、To Do リスト(タスクリスト)にしてしまう。

具体的には、一日の仕事が終わったときに、明日(または今後)しなければならないことを、自分宛にメールする。
すると、それは未読として、「受信箱 (1)」と表示される。そのメッセージを開くまではこの数字は残ることになる。

他の未読メールをチェックすることも、To Do の重要な一つであることを利用した巧いやり方。

2009年8月14日金曜日

Rules for using hyphens (ハイフンの使い方)

ハイフンの使い方の覚え書き

  • It is well known that ~. (ハイフン無し)
  • It is a well-known result that (後に名詞をとる場合にはハイフン)
  • the environmentally friendly products (environmentallyと"ly" で終わる形容詞の場合は、後に名詞をとっていてもハイフンは無し)

2009年8月13日木曜日

TeX関連の備忘録


  • 複数行に渡るコメントアウト

    • ¥if0
      コメントアウトしたい行1
      コメントアウトしたい行2
      ¥fi

  • Table(表)に使われる文字を「全て」小さくしたい

    • ¥begin{table}[tb]
      ¥begin{center}
      {¥small
      ¥begin{tabular}{}
       Tableの内容
      ¥end{tabular}
      }
      ¥caption{}
      ¥end{center}
      ¥end{table}

  • Appendix の数式番号を (A.1) のようにしたい

    • ¥renewcommand{¥theequation}{A.¥arabic{equation}}
      ¥setcounter{equation}{0}

2009年8月3日月曜日

Journal Journal Title Abbreviations

雑誌名の省略形をまとめたサイト: ISI Journal Title Abbreviations

(補足)普通の言葉の省略形をまとめたサイト:Campmoca; Abbrevoatopm